日 時:2023年3月9日(木) 場 所:市民交流プラザ601 講 師:西岡秀樹氏
公認心理士 精神保健福祉士 学校心理士 県央福祉会法人事務局研修部部長ほか
参加者:会員 11名 福祉関係者 10名 一般 2名
2018年6月にWHOがGaming Disorderをメンタルヘルス障害の一つとして公式に位置付ける方針(ICD-11)を打ち出し、 採択後国内でもオンラインゲームによる弊害について広く着目されるようになった。(※米国精神医学会の最新の診断基準DSM-5では “Condition for Further Study”とされていて、現時点でDSMの公式な障害とはなっていない。将来のDSM改定時に更なる知見をもとに公式な障害として含めるかどうかを検討していこうという段階)
西岡氏がスクールカウンセラー等で生徒と接する中でゲームと発達障がいについて着目、研究されている経緯を知り講師としてお招きした。
まず『ゲーム障害(依存)』『 嗜癖障害』についての詳細な説明があり、
・ゲーム障害(依存)は嗜癖障害のうちのプロセス依存に分類されること
・発達障がい(ADHD、ASD、ADHD+ASD)のある人にどのタイプのゲームがどのように親和するか?
・あつぎ市民交流プラザで行われた勉強会では、ASD、ADHDのどの特性がゲームをする上でどのようなリスクを負いやすいか?などのお話があった。
特に学校生活などで特性理解が周囲から得られず、失敗体験を繰り返すなどで自尊感情が低下しゲームをクリアすることで有能感を得て、ゲームに没頭する図式が考えられるようだ。
家族が対応として行いがちな禁止、過度な抑制などから問題が解決しないのは左の図からも推しはかれるのではないだろうか?
私たちは、目に見える問題が未知であったり複雑であるほど、氷山の水面下に何があるのか推察することを忘れがちである。そのためにも、こちらに見えていないその人の困り感を探り、本人が選んだことを適正・適切に楽しめるよう穏やかに提案できればと考える。多くの親たちに『穏やかな関与』が刺さった勉強会だった。(中村)
[参加された方の感想]
・勉強会を通し、随伴性マネジメントなどの支援の大切さを改めて痛感しました。
我が子が歳を重ねるたび、つい年齢相応にと考えてしまい厳しい声掛が増えておりましたが、今後は出来るだけ穏やかな関与を意識し、こだわりや依存を緩和していきたいと思います。
・「穏やかな関与」がグサっと刺さりました。制止させたい時は厳しい言葉をかけてしまい、反撃(反動)も強かったりしました。穏やかな関与はいつも念じておきたい言葉でした。ゲーム依存は未だ解明されてない部分もありそうな分野で誰でも依存には傾きやすい可能性があるという事と、ASDや ADHDの人、家族が知っておく大切な事だと思いました。氷山モデルを忘れず解決や支援を心がけたいと改めて思う勉強会でした。ありがとうございました。